豊福先生の部屋舌痛症(glossodynia)の特徴

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新聞や週刊誌の医療相談記事に、以下のような問い合わせがしばしば見られます。潜在的な患者さんは、かなり多いのではないかと推測されます。

「61歳の主婦です。数年前から舌全体がヒリヒリと痛くなり、あちこちの病院で口内炎とか何とかいわれて、うがい薬を出されたり、自分でもビタミン剤を薬局で買って飲んだりしました。いつまでも治らないので「舌癌」じゃないかと心配して大学病院の口腔外科に行ったところ、唇の内側から組織を採ったり、いろいろな検査をした結果、「シェーグレン症候群ではない」とのことでした。治療がなかったので別の病院歯科を受診したところ「舌痛症」といわれ、処方された漢方薬を飲みましたが、これでも治りませんでした。食事の時は少しおさまりますが、食後に痛む時もあります。普段から唾液は少なくてネバネバし、舌も乾いています。なお、舌が痛くなる前から内科で「更年期」といわれ抗精神病薬をもらい、抗不安薬を飲んで眠っています。」

舌痛症の大まかな特徴を挙げますと、以下のような症状が代表的です。
1. 舌の先や縁に「ヒリヒリ」「ピリピリ」した痛みや灼熱感が長期間(半年以上)続く。「やけどをしたような痛み」「歯がこすれるような痛み」であることが多い。 歯科医師泣かせの患者群のイラスト
2. 舌に器質的異常は認められない。三叉神経痛や舌咽神経痛の電撃痛とは異なる痛みであり、末梢の神経学的異常(しびれ、麻痺など)も認められない。
3. 食事中や何かに熱中している間は痛みを感じないことが多い。
さらに
40-60歳前後の中高年の女性に多い。
真面目で几帳面な性格の人がなりやすい。
歯科治療の後に発症することもしばしばある。
痛みは我慢できないほどではないが、1日中気になり、舌に神経が集中している感じである。
午前中より、夕方から夜にかけて痛みが増悪する。
痛む部位が移動することがある。唇や口蓋までピリピリ痛むこともある。
口内炎の軟膏をつけたり、ビタミン剤や痛み止めを飲んでも一向によくならない。何度も歯の先などを研磨しても舌にこすれる感じがとれない。
口の中が乾いたり、「ザラザラした感じ」や味覚の変化(おいしくない、本来の味がしない)をしばしば伴う。
舌癌を心配していることが多い。
不眠や頭痛など自律神経症状を伴うことが多い。
CTやMRIでは特に脳の病変は認められない。
なお、うつ病など精神疾患を合併しておられる方は非常にまれです。
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