岩渕先生の部屋口腔乾燥患者の手記

トップページ
ドライマウスとは
ドライマウスの
分類と原因・症状
ドライマウスの診断と治療
ドライマウスと
シェーグレン症候群
保湿剤・うがい薬
口腔乾燥患者の手記1
口腔乾燥患者の手記2 NEW
部屋主の紹介
ドライマウスオアシスHOME
K.A.さんの手記

思い起こせば昨年の春ごろ、体調の変化が始まったようです。しかし、私は今まで体力に自信があったので、あまり気にしませんでした。 ところが日がたつにつれて口内の渇きや痛みがひどくなり、よく水を飲まなければ食事ができず、味もよくわからなくなりました。また、目が乾燥して涙が出ず、目やにがたまって困りました。

目の症状は眼科での治療と目薬の点眼をしたところ、目やには止まりましたが、口の症状は耳鼻咽喉科で「唾が出ないのは加齢のため仕方ない」と言われ、これからどうしてよいか判らず悩みました。しかし、歯が浮いて痛かったのを、歯科で検査したところ、「唾液の出が悪いのはシェーグレン症候群かもしれない」ということで、紹介状をもらって国立機構栃木病院の口腔歯科(岩渕先生)を訪ねました

診察、シェーグレン症候群の検査(血液検査、ガムテスト、口唇唾液腺生検、唾液腺造影、涙の分泌低下 等)をした結果、私がシェーグレン症候群であることが告げられました。 この病気は難病のため、現在は治療の薬が開発中とのことでした。

検査から3ヶ月後に唾液分泌に有効な薬をもらって1日2回飲み、更にその2ヶ月後から朝、昼、晩と薬を飲んだ頃から唾液が出て、段々に良くなってきました。しかし、この薬には汗が出る副作用があるため、度々下着の交換が必要になることがあるなど、辛いこともあります。

私の場合は幸い、この薬を服用することで、目の乾燥、口腔乾燥、鼻腔の乾燥が段々緩和されましたが、冬場の暖房器具の使用で空気が乾燥するときは心配なので、加湿器を置いています。また、ストレス解消のためにスポーツジムのプールで泳ぐととても気持ちが落ち着きます。

このように、同じ病気に罹っているのは自分ひとりではないし、悪いことばかり考えないようにして病気と共存する生活を積極的にエンジョイするようにして、このままの状態で体調を維持していきたいです。

私は花粉症でもあるため、杉花粉が降り始めると、目・鼻・口の辛い症状に苦しめられています。シェーグレン症候群と花粉症でどんな症状が出るのか心配なような、体験したいような・・・良い方向になればと祈っています。


K.A.さんの手記

今でこそ、寄る年波で夫婦共々、時折は病院のお世話になっていますが、若い頃からスポーツ大好き人間でした。

在職中はもちろん、退職後も今に至るまで、中学生の頃から始めたテニスはもとより、週に2〜3回のスポーツクラブでのエアロビクス・自転車・プール、月に1〜2度の主人と一緒のゴルフ、スポーツ仲間と始めた県内及び近県各地のマラソン大会、年に1度のホノルルマラソン等々、自分の年齢も忘れて楽しんできました。 そんな私が、3〜4年前から、自分の体調に何か異常を感じ始めました。

食事がおいしくない、食べたくない、やたらに喉が渇く、口の中が気持ち悪い。そんな日が続き、始めは「口中の粘液に異常があるのでは」と、内科・皮膚科に通院していましたが、一向に改善の兆しもなく、不快な感覚を抱きながら毎日を過ごしていました。

そのうち、ますます耐えられなくなり、症状を元にいろいろ調べたり、人に尋ねたりして口腔外科を受診してみようと思い、栃木病院を訪ねました。
かつて一時期を過ごした病院をなつかしく思いながら、口腔外科の前の椅子に座ったとき、はっとしました。診察室の前に貼ってあるポスターに、「口が渇く」「口中が粘る」「味覚がおかしい」等々、今まさに私が苦しんでいる症状が書かれているではありませんか。それで初めて「シェーグレン症候群(ドライマウス)」という病名を知りました。

自分の悩んでいた症状がはっきりとした病名の病であるとわかった不安と、ここで専門医の先生の治療によって先に見えた希望のこもごも入り交じった感情を覚えながらポスターに見入っていたことを覚えています。
3年前、2005年のある日のことでした。

最初の受診日は、専門の岩渕先生が学会で不在とのことでしたので、2回目の受診で先生の診察を受けることができました。
検査の結果、シェーグレン症候群(ドライマウス)と診断され、唾液分泌促進剤を処方されました。

帰宅後、病気について調べてみると、免疫システムが狂ってしまい、唾液や涙が出にくくなること、いろいろな合併症が起こること、完治することがない難病であることがわかりました。また、通院するようになって、同じような症状で悩んでいる人が意外に多いということも知りました。

現在、外出時のマスク着用、唾液を促進するガムを噛む等々、岩渕先生のアドバイスにより、食欲も増し、日常生活も大過なく過ごしています。何よりも、好きなテニスが楽しめるようになったことは私にとって本当にうれしいことです。

自分がこのように身体全体にダメージを与える特定疾患に罹っていると知るまでは、「加齢のために唾液が少なくなったのだろう」と思い、本当に心身共に落ち込んでいました。栃木病院の口腔外科にたどりつくまで、他の病院の内科・皮膚科で各種検査・投薬を受け、1年ほどかかってしまいました。

ウツウツと悩んだり、不安がったりしないで、正確に自分の状態を知り、病気の原因を知って、専門の先生に診てもらうことがいかに大切かを知りました。
これからも専門医の先生の適切なアドバイスを受けながら、この病気とうまくつきあっていきたいと思います。

さすがに寄る年波で、エアロバイクやフルマラソンは遠慮していますが、テニスやゴルフ・ジョギングを続けながらこの病と共にこれからも楽しく充実した毎日を過ごしていこうと思います。


S.F.さんの手記

シェーグレン症候群という病名を初めて知ったのは、ちょうど1年前でした。
最初、舌がピリピリし、痰が絡む感じがしたので、耳鼻咽喉科、内科と受診したところ、いずれも風邪薬を出されました。

「違うんだけどな・・・」と思っていたところ、4軒目の医院で「ドライマウスかもしれない。栃木病院にいい先生がいるから」と、紹介状を書いて頂き、岩渕先生の診察を受けました。その頃は、症状が出てから1ヶ月以上が過ぎており、舌の渇きもかなりひどくなっていました。

検査の結果が出て治療に入るまで、さらに1ヶ月以上かかりました。
ますます舌はカラカラ・ヒリヒリして食物が飲み込みづらいために食欲が減退し、その上、廻りにこのような病気の人は誰もいないために相談もできず、やせ細る日々でした。
薬での治療もなかなかうまくいかず、唾液が出たり出なかったりで半年位大変でした。

でも途中から薬を半分にして4回に分けて飲むようになってから、平均に唾液が出るようになり、完全ではないにしても以前のように渇きにイライラすることもなく生活できるようになりました。

膠原病ということもあり、この先いろいろ不安はありますが、先生と相談しながらうまく病気とつきあっていけたらいいなと思います。


Y.A.さんの手記

私が夜中に口が渇き、「なんだか舌がザラザラしているな」と感じたのは、4、5年前だったでしょうか。
そのザラザラ感がなかなか治らないので、栃木病院の口腔外科の岩渕先生の診察を受けました。
唾液の量や他の検査をして、シェーグレン症候群という聞き慣れない免疫異常の病気だということでした。

幸い、私の場合は唾液の量は比較的あるようなので、薬を飲むに至っておらず、定期的に経過を診ていただいております。
ですが、人によっては唾液の量がとても少なくなり、固い物が食べにくくなったり、飲み込みにくいと聞きました。
年を重ね、「口が渇く」とか「舌が痛い」と感じる方は、岩渕先生に診て頂くとよいと思います。


Y.A.さんの手記

ある日突然、強烈な舌とのどの痛みを感じ、鏡でみると、舌は赤く腫れ上がり、のども真っ赤でその中心付近は黄色く化膿しているように見えました。のどの奥に脱脂綿を詰められて口中の水分をすべて吸われるような感覚。のどは渇いていないのに口が渇くという不思議な感覚。かといって水を飲んだところで舌の表面だけを流れていって口の中はちっとも潤わない感覚。

不安な気持ちでかかりつけの内科を受診すると「これで味は分かるの?」と先生は心配そうに尋ねられ、抗生剤と消炎剤が処方されました。
それから口腔外科や耳鼻咽喉科などを数軒、総合病院や大学病院も受診しましたがなかなか治療には繋がりませんでした。

ある先生は「あなたの舌やのどは異常ありません。もうこちらには来なくともいいでしょう」と説得するように話されました。
またある先生は「この薬は長くのませられない。僕の治療はここまでだな」と申し訳なさそうにおっしゃいました。
そのたびにこのあと、誰に相談したらよいのだろうと泣きたい気分になりました。

こちらの病院で様々な検査の後に、先生から病名をお聞きした時はとても嬉しく、もしかすると顔がニコニコしてしまったかもしれません。
やっと病名がついた!とホッとしたのです。精神的に救われました。

このとき発症から4〜5年経過していました。
ラッキーなことに処方していただいた薬は服用したその日から効きました。胃のむかつきや多汗、多尿の副作用もありましたが唾液の出る過ごしやすさに比べたら比較にならないと感じました。

今でも口角は割れやすく、唇が乾燥し剥がれやすいのは変わらず、夏でもリップクリームは欠かせません。薬の効き方にはむらがあって唾液の分泌をよく感じる日もあれば、そうでない日もあります。

さて今回、私が管理栄養士であったこともあり、先生からドライマウス当事者として食事に関する記事を書かないかとお話をいただきました。
私は重症ではなかったようで、食事ではしょうゆ(塩味)や果物(酸味)が舌にしみることはありませんでしたが、食物の水分が口の中にある食事中が一番ラクで、食後に歯みがきを終えた後から次の食事までの数時間はカラカラでなんとも言いようのない辛さがありました。
パンは水分が少ないので食べにくいのはもちろんですが、トーストしたパンを食べると口の中が傷ついて痛かったことを覚えています。

経験上、どうやらドライマウスにこれが効くという薬のような食べ物はなさそうです。
しかし、食事を工夫することで快適に近づけることは可能だと思われます。

ここで一番気をつけなければならないことはドライマウスばかりに気を取られて偏った食生活になると、生活習慣病をはじめとする他の病気を引き起こしてしまうということです。
どの食品も量と頻度を考えて使っていく必要がありそうです。

例えばパンを食べるのに水を飲みながらですと、パンの美味しさが水にかき消されてしまい、パン+水は合いませんね。そこでポタージュや野菜スープなら美味しく感じられますが、味噌汁も含め、毎食に汁物をいただくことは同時に塩分の過剰摂取につながります。高血圧の治療や予防により塩分を控えたい方には悩ましいところです。

下記に、食事のアドバイス(食べ方の工夫と注意点)を記載しましたので、どれかひとつでも同じ症状に苦しむ皆さんの参考になるものがあれば幸いです。

<食事のアドバイス>

パン

パン

<食べ方の工夫>
フレンチトーストにすると、食パンそのものよりも水分が増え、食べやすくなります。また、甘みを感じることで、唾液の分泌を促します。

<注意点>
砂糖やバターを使うぶん、エネルギーがアップします。

space.gif
米飯

米飯

<食べ方の工夫>
あんかけチャーハンにすると、ご飯にあんがまとっていることですべりが良く、食べやすくなります。

<注意点>
あんに味をつける分、調味料(塩分)が増えます。

space.gif
いも類

いも類

<食べ方の工夫>
ぱさつく芋類はポテトサラダにすると、マヨネーズを使うことによって、しっとりして食べやすくなります。

<注意点>
マヨネーズは油を多く含みますので、多量摂取は肥満の一因になります。

space.gif
くだもの

くだもの

<食べ方の工夫>
特に柑橘類は、酸味や甘みが唾液の分泌を促します。

<注意点>
舌に亀裂がある方は、しみて痛みを感じることがあります。

space.gif
味噌汁・スープ

味噌汁・スープ

<食べ方の工夫>
食事と共にとると、食事がしやすくなります。

<注意点>
塩分が過剰にならないように、具沢山にする、薄味にするなど工夫をする必要があります。また、水分の取りすぎで食事が進まなくならないようにしましょう。

space.gif
緑茶・コーヒー・紅茶

緑茶・コーヒー・紅茶

<食べ方の工夫>
お茶休みすることは水分補給に適しています。

<注意点>
カフェインによる利尿作用があります。気になる場合は、水や麦茶に変えてみてください。菓子類(お茶うけ)を食べ過ぎないように注意しましょう。

space.gif
酒類

酒類

<注意点>
お酒を飲んだ後にのどが乾くのは、アルコールによる利尿作用によるものです。アルコールの水分では体は潤わないことを覚えておきましょう。

Copyright © DRY MOUTH SOCIETY IN JAPAN All Rights Reserved↑ GO TO PAGE TOP