中村先生の部屋ドライマウスの診断

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検査方法

  前述のようにドライマウスには種々の原因がありますので、診察を受ける際には既往歴(病歴)や服用中の薬剤などの情報も重要です。当然、口腔の診察は極めて重要ですが、口腔に限らず全身のどこかに気になる症状があれば、遠慮せずに全てを訴えた方が良いでしょう。これにより、ドライマウスを生じる可能性がある全身性疾患の精査が必要になるかもしれません。一般的なドライマウスの診断の流れを図1に示しています。

図1:ドライマウスの診断の流れ(フロ−チャ−ト)

  検査としては、まず唾液分泌量を測定が必要です。測定方法としてはガム試験(写真11)とサクソン試験(写真12)の2つがありますが、いずれも極めて簡単な検査です。ガム試験は、ガムを噛んで出てくる唾液の量を測定します。一方、サクソン試験はガーゼを噛み、ガーゼに含まれる唾液の重さを測定します。その他にも、種々の方法がありますが、シェーグレン症候群かどうかを正しく診断するには、この2つの方法で測定する必要があります。ドライマウスの明確な原因が見つからずに、シェ−グレン症候群が疑われる場合には、さらに多くの検査を受ける必要があります。口腔の検査としては、唾液分泌量測定に加えて、口唇腺生検(写真13,14)、唾液腺造影(写真15)、唾液腺シンチグラフィ−(写真16)が一般的ですが、最近では超音波断層撮影やMRIといった検査も行われています。眼や血液の検査も必要になり、眼に関してはシルマ−試験(濾紙を用いて涙液量を測定する)、ロ−ズベンガルあるいは蛍光色素試験(角膜や結膜の障害程度を調べる)が一般的で、血液検査では免疫グロブリン量(シェーグレン症候群では時に増加して高ガンマグロブリン血症を生じる)や抗Ro/SS-A抗体や抗La/SS-B抗体といった自己抗体の有無を調べます。

写真11〜12
写真13〜14
写真15〜16
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シェ−グレン症候群の診断基準

  本邦では、1977年に厚生省特定疾患シェ−グレン病調査研究班が定めた診断基準がこれまで用いられてきましたが、1999年に表5に示すような診断基準に改訂されました。現在は、原則としてこの改訂診断基準を用いて診断されています。この診断基準でシェーグレン症候群が否定された場合には、その他の口腔乾燥症とし、改めて他の原因を詳細に調べる必要があります。

表5:日本におけるシェ−グレン症候群の診断基準(1999年改訂)
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