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| 生活習慣に起因する口腔乾燥症 |
これらの物質は高い利尿作用があり脱水症状を来たします。そのため、唾液分泌量が減少し、口腔乾燥を引き起こすことがあります。
無謀なダイエットなどで水分や食物を過剰に制限したり、全身疾患のために十分な水分や食事が摂取できない場合など、水分摂取量の不足は、唾液の分泌を抑制してドライマウスを起こすことがあります。(必要な水分摂取量は、2〜2.5L/日)
咀嚼の回数が減少すると、唾液腺の萎縮や機能低下を引き起こし、唾液分泌量が減少します。特に高齢者の場合は、腺機能が生理的に低下しているため、十分な咀嚼が必要です。
| 全身的要因に起因する口腔乾燥症 |
全身疾患に起因した高熱、脱水、出血、下痢などの持続により体重の2%以上の水分が喪失すると口渇を来たすようになります。さらに持続すると口腔乾燥症状を来たします。また、神経性食欲不振症、拒食症などにより嘔吐が持続すると、全身の脱水を来たし唾液量が減少します。
甲状腺機能亢進症では代謝が活発化し、心機能亢進、交感神経興奮による口渇が生じます。逆に、甲状腺機能が低下しても代謝が低下して口渇を生じ、副甲状腺機能が亢進しても口渇を生じます。また、女性ホルモン(エストロゲン)の減少と口腔乾燥感には関連があると考えられており、女性は年齢を重ねるとともに唾液分泌量が少なくなり、70−80歳代では10歳代の半分以下になることもあるといわれています。これは加齢とともに女性ホルモンの分泌が減少し、それに起因して唾液腺の萎縮が起こるためと考えられています。さらに抗利尿ホルモンの合成・分泌低下による中枢性尿崩症やその作用障害による腎性尿崩症によっても、水の再吸収障害による多尿が生じ、口渇を起こすことがあります。
血糖値が300mg/ml以上になると血液の浸透圧が上昇し口渇が生じるといわれています。尿中に糖が排泄されると尿の浸透圧が上昇し、多量の水分が尿管方向に引き寄せられ多量の尿が排泄されます。その結果、脱水状態を起こし唾液分泌の減少を来たすと考えられています。さらに、糖尿病が長期間コントロールされずにいると、唾液腺組織の変性萎縮や唾液腺のムスカリン受容体の感受性低下などによっても唾液の分泌が減少することがあります。また、腎機能の急速または慢性的な低下により、血漿浸透圧や水分バランスに異常が生じた場合も唾液分泌量の減少が起こります。さらに、本疾患の治療のための利尿薬や血液浄化療法などの処置によっても唾液分泌量の減少を来たします。肝硬変症例では、病状の進行とともに黄疸、腹水、肝性脳症、肝腎症候群などの症状が出現し、水分摂取量減少や循環血漿量減少、腎機能障害、腹水に対する利尿薬の投与などにより唾液分泌量減少を引き起こすことがあります。
シェーグレン症候群は外分泌腺の機能低下をもたらす自己免疫疾患で、30-50歳代の女性に好発し、口腔乾燥感、唾液量の減少、唾液腺の再発性腫脹、乾燥性角結膜(涙液量の減少)、膠原病様症状(全身倦怠感、発熱、関節痛、筋肉痛)を生じます。一般的にシェーグレン症候群の30-40%は膠原病や他の自己免疫疾患を併発しているといわれています。移植片対宿主病(GVHD)は、骨髄移植による自己免疫(拒絶)反応(骨髄提供者の免疫系が宿主の細胞を異物と認識して生じる生体反応)であり、唾液腺も障害され、口腔乾燥感、唾液分泌量の減少が生じます。
貧血(鉄欠乏性貧血、悪性貧血)による唾液量減少のメカニズムは明らかではありませんが、血中の電解質の変化が原因していると考えられています。
唾液は、唾液腺細胞の副交感神経受容体(ムスカリン受容体)が伝達物質であるアセチルコリンにより刺激され、唾液腺細胞内のCa2+濃度が上昇して分泌されます。したがって、唾液腺細胞の副交感神経受容体を阻害する薬剤や唾液腺細胞内のCa2+濃度の上昇を阻害する鎮静剤、副交感神経遮断剤、抗ヒスタミン剤、利尿剤、抗神経薬、麻薬、降圧剤等は唾液分泌量を減少させることがあります。
脳出血、くも膜下出血、脳梗塞、延髄疾患、唾液核の障害、上位中枢部分の脳腫瘍、脳損傷、顔面神経分泌枝の障害などが生じると唾液分泌に関わる神経経路が障害され、唾液分泌量が減少して、口腔乾燥症を発生することがあります。
人工透析患者さんの50%が口腔乾燥感を訴えるといわれています。
| 唾液腺障害(唾液腺自体の異常)に原因する口腔乾燥症 |
慢性再発性唾液腺炎、唾液腺症、ブドウ膜耳下腺炎などの唾液腺自体の疾患は唾液分泌量の減少を来たします。
頭頸部癌の治療のために手術や放射線治療を受けると唾液腺の障害を起こし、唾液量の減少を来たします。
| 神経性要因に原因する口腔乾燥症 |
延髄には上唾液核、下唾液核という唾液分泌の中枢が存在しています。この唾液核は口腔領域からの求心性知覚神経を介した刺激によって興奮し、その興奮を交感神経および副交感神経刺激として遠心性神経によって唾液腺に伝えて、唾液分泌を調節しています。副交感神経が刺激されると水分の多い唾液が分泌され、交感神経刺激では有機分の多い粘稠な唾液が分泌されます。そのため、延髄疾患、唾液核の障害、上位中枢部分の脳腫瘍、脳損傷、顔面神経分泌枝の障害などが生じると唾液分泌に関わる神経経路が障害されて、唾液分泌量が減少し、口腔乾燥症を来たします。
| 加齢など生理的要因による口腔乾燥症 |
唾液量は、一般的には70歳まで変化はありませんが、漿液成分が減少して粘稠な唾液になります。70歳以上では男性の16%、女性の25%に唾液量の減少が認められます。80歳以降では、唾液分泌量が半分以下に減少するともいわれています。
| その他 |
原因が明らかでないもの
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