篠原先生の部屋ドライマウスの診断

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ドライマウスの診断法

ドライマウスの系統的な診断法、診断基準は未だ確立されていません。確立されているのはシェーグレン症候群の診断法のみです。そのため、ドライマウスの診断はシェーグレン症候群の診断法に準じて行います。

ドライマウスの診断、治療の流れ
ドライマウスの検査

(1)問診、視診、触診
問診、視診、触診によって、口腔症状、眼症状などを確認します。

1)口腔症状

  1. 口の中が乾く、カラカラする
  2. 水をよく飲む、いつも持参している
  3. 夜間に起きて水を飲む
  4. 乾いた食品が食べにくい
  5. 食物が飲み込みにくい
  6. 口の中がネバネバする、話しにくい
  7. 味がおかしい
  8. 口臭が気になる
  9. 義歯の不適合

2)眼症状

  1. 眼が乾く、涙が出にくい
  2. 目薬を1日3回以上使用している
  3. 眼がコロコロ、ショボショボする
  4. 朝起きた時眼が開けられない
  5. 眼が疲れやすい

3)膠原病症状、その他の全身症状

膠原病症状:

  1. 朝起きた時に手足がこわばる
  2. 関節が痛い、腫れている
  3. 疲れやすい、倦怠感がとれない
  4. 微熱がある

全身症状:

  1. 皮膚がカサカサしている、汗をかかない
  2. 痰が喉に絡む
  3. 胸やけや消化不良
  4. 膣の乾燥
  5. 鼻腔の乾燥感

4)最近の生活状況

  1. 忙しい、精神的余裕がない
  2. 精神的なショックを受けた
  3. 心配事がある
  4. 家庭、職場でうまくいってない
  5. なかなか眠れない
  6. いつもイライラしている
  7. いつも緊張している
  8. 食欲がない
  9. 気力が湧いてこない、元気がでない

5)心理テスト

HADS (hospital anxiety and depression scale)1)

抑うつ・不安を反映する心理測定尺度で不安度と抑うつを測定する

SDS (self-rating depression scale)1)

デューク医科大学で開発された自己記入式心理テスト
神経症とうつ病の診断に活用する

SRQ-D (self-rating questionnaire for depression)2)

仮面うつ病のスクリーニングに用いる心理テスト

1)福田一彦 他:日本版SDS使用手引き 三京房 京都 2004
2)阿部達夫 他:Masked depression(仮面うつ病)のScreening test としての質問表(SRQ-D)について 精神身体医学 12:243-247, 1972.

(2)血液検査

1.一般血算:貧血の有無、白血球の増多、血沈

2.血清生化学検査:

a)一般スクリーニング(肝機能、腎機能、血糖、尿酸)
b)血清鉄、亜鉛、 c)ビタミンB2, B12, C、d)血清アミラーゼ

3.免疫血清学検査:

a)リウマチ因子(RA、RAHA)
b)抗核抗体
c)抗SS-A、SS-B抗体
d)抗DNA抗体、抗ENP抗体、抗RNP抗体
e) CRP、蛋白分画、免疫複合体
f) IgA、IgG、 IgM定量
g)血清補体価(CH50)

(3)唾液分泌量測定

1.刺激時唾液量

1)サクソンテスト:2分間で2g以下が陽性
2)ガムテスト:10分間で10ml以下が陽性

2.安静時唾液量

1)吐唾法:10分間で1ml以下が減少
2)ロールワッテ法:30秒間で0.1g以下が減少

3.唾液の貯留度

唾液湿潤度検査紙(Saliva Wet Tester、エルサリボ)
舌上粘膜10秒間で、1mm未満で口腔乾燥、2mm未満で分泌低下

(4)唾液腺シンチグラフィー検査(99mTc-pertechnetate)
健常人、シェーグレン症候群患者の唾液腺シンチグラフィー像を以下に示します。

(5)唾液腺造影検査
シェーグレン症候群、アレルギー性唾液腺炎、慢性顎下腺炎の患者の唾液腺造影像を以下に示します。

(6)唾液腺CT、MRI、エコー検査
IgG4関連ミクリッツ病患者の画像所見を以下に示します。

(7)唾液腺生検(口唇腺など)
シェーグレン症候群患者の口唇腺の病理組織像を以下に示します。

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